大阪府内一定地域でレジオネラ症のアウトブレイクが発生した。1例目から積極的疫学調査および施設調査を行ったところ,患者に共用施設は確認されず,屋外曝露の可能性を疑った。検査を実施した25基の冷却塔(CT)のうち17基からレジオネラ属菌が検出され,レジオネラ・ニューモフィラ血清群1(SG1)が10基のCTと8人の患者から検出された。細菌学的解析手法を組み合わせることにより,患者分離株と1基のCT分離のSG1の遺伝子型が一致することを明らかにし,このCTが曝露源であることを推定した。聞き取り調査の結果,当該施設における管理の手法や体制はレジオネラ属菌増殖防止の観点からは十分とはいえなかった。今後,同様のアウトブレイクを防ぐためにも,菌増殖防止の観点に重きを置いた維持管理基準の検討が進むことを期待する。