日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.53,No.4 (2025)

表題:
災害時における微生物汚染対策の重要性と今後の課題
[3]災害時の感染症リスク~飲料水の安全確保のために~
著者:
秋葉道宏,三浦尚之,島﨑 大(国立保健医療科学院生活環境研究部)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.53,No.4,pp.117−121(2025)

我が国の近代水道は,江戸時代末期から明治時代にかけて蔓延したコレラ等の水系消化器系感染症の予防措置を第一の目的として,1887(明治20)年,横浜市において創設された。初めに国内外の洪水や津波等災害時の水系感染症の発生状況を述べた。また病原微生物コントロールを水道法の規定の枠組みを踏まえた上で概説した。水道の普及に伴って水系消化器系感染症の患者数は激減したが,1990年代以降は水道法の適用対象外の水道や新たな耐塩素性病原微生物による大規模な集団感染症事例を述べた。最後に,水道安全計画を活用した感染リスクの評価の研究事例を紹介した。

Key words:
Water Supply(水道)/Water Supply Service Act(水道法)/Pathogenic Microorganisms(病原微生物)/Waterborne Disease(水系感染症)/Water Quality Management in Disaster(災害時の水質管理).