日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.53,No.2 (2025)

表題:
ヨウ素の新型コロナウイルスに対する不活化効果及び口腔咽喉薬のウイルス不活化ならびに殺菌効果(原著論文)
著者:
上地里佳枝,大森広太郎,鳥井一宏,富岡寿也,五味満裕,野崎 学(小林製薬(株)),中嶋絵里,西田倫希,射本康夫((一財)日本繊維製品品質技術センター)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.53,No.2,pp.37−46(2025)

新型コロナウイルス感染症の蔓延をきっかけに感染症対策意識は世界的に高まった。急性咽頭炎を引き起こす病原体として新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の他にも様々なウイルスや菌が知られており,これら病原体を不活化できる口腔咽喉薬を使用することは感染症対策の上で重要である。本研究では市販口腔咽喉薬に配合される有効成分であるヨウ素のSARS-CoV-2不活化作用と,ヨウ素を含む口腔咽喉薬成分の急性咽頭炎起炎ウイルス及び菌に対する不活化作用を検証した。結果,ヨウ素は幅広い病原体を短時間で不活化し,一部のウイルスに対してはポビドンヨードやセチルピリジニウム塩化物よりも高い効果を示したことから,ヨウ素配合口腔咽喉薬の感染症に対する有用性が示唆された。

Key words:
Iodine(ヨウ素)/Oropharyngeal medicine(口腔咽喉薬)/SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)/Virus inactivation(ウイルス不活化)/Sterilization(殺菌).